養育費の振込先は子ども名義の預貯金口座にすべきか?
離婚にあたって,養育費の分担額,支払始期と終期,支払時期が決まれば,支払い方法をどうするかという話になります。
通常は振込で支払うことになりますが,元配偶者名義の預貯金口座と子ども名義の預貯金口座ではどちらがよいのでしょうか?
養育費は子どもの監護費用の分担として支払われるものですから,子どもを監護する元配偶者名義の預貯金口座に振り込むべきということになりそうです。
しかし,養育費を支払う側が,心情的に元配偶者名義の預貯金口座にはお金を振り込みたくない(子どものために使われるのか心配),子どものためのお金だから直接子ども名義の預貯金口座に振り込みたい,と希望することはよくあります。
養育費の支払方法について決まりはないので,双方が合意すればいずれでも構いません。
但し,養育費の他に慰謝料等を分割払いする場合,同じ預貯金口座に法的性質が異なる養育費と慰謝料が振り込まれるようにしていると,振り込まれた金額がが養育費と慰謝料の合計額に不足するときに面倒です。
このような場合,養育費と慰謝料どちらに対する支払とするかの定め(充当)がありますが(民法488条以下),無用な混乱が生じます。
したがって,このような場合は,振込手数料が余計にかかりますが,養育費の振込先として子ども名義の預貯金口座を指定しておくべきでしょう。
経験上,養育費の振込先は,子ども名義の預貯金口座を指定するケースが多いようです。
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